前回のブログに書いたように、
塾講師のアルバイトを始めて3か月、生徒たちから「あなたなんて要らないよ!」とダメ出しを突き付けられる状況だけは何とか、回避できました。
しかし、依然授業は下手糞なままでした。
当時アルバイトをしていた大手のチェーン塾は大阪府や奈良県に30数校舎あり(正確な数字は定かではないが…)、アルバイトの講師も250~300人程度いました。
その250~300人の講師に対して、それぞれ担当している生徒たちからアンケートをとり、それを数値化してランク付けをされていました。
塾講師のアルバイトを始めて半年くらいの私は、下から数えたほうが早いレベルでした。
「生徒からの信頼」や「話しやすさ」という項目は平均以上のレベルになっていました。
しかし、「授業のわかりやすさ」や「板書のうまさ」というような、授業力を量る項目はかなり、ショボい状況でした。
アルバイトを始めて半年くらいすると、学年の変わりが訪れ、「生徒たちから信頼されている、授業の上手な先輩の先生方」が大学を卒業し、校舎からいなくなってしまいました。
それで、『私を含めたショボい後輩たち』が生徒たちの矢面に立たなければならないという危機的な状況になりました。
「学年変わりには辞めようかな」と思っていたのに……(泣)
「授業力アップ計画」始動
夜な夜なファミレスで、『私を含めたショボい後輩連中3人』で
「どうしようか?」
「どうしたらいいのか?」と議論する日々がしばらく続きました。
「逃げてる場合やないよな!頑張って授業力を上げるしかないよな!」
という結論に達するにはさほど時間がかからなく、やぶさかではありませんでした。
それから、『私を含めたショボい後輩連中3人』で「授業力アップ計画」が始まりました。
アルバイトをしていた大手塾では、すべての校舎のすべての教室にビデオカメラが設置されていて、自分の授業を録画でき、見ることができたのです。
自分の授業をビデオに録り、自分で見てみると、
早口で、間の取り方も下手で、悲しいものでした。
板書も決して整理されているとは言えませんでした。
自分の板書を写したノートを見て復習しても、復習にならないというレベルのものでした。
まずは、授業内容を整理し、板書をするためのノートを作り、作ったノートを見ながら板書の練習を繰り返しました。
話し方も、ビデオを見ながら、間の取り方や滑舌などに注意しながら何度も何度も練習を積みました。
間の取り方を勉強するために「桂米朝さん」の落語全集のCDなんかも聞いたりしました。
担当している生徒たちが通っている中学校のテストの過去問題を見て、出題されるポイントを研究したりもしました。
他の校舎に「良い先生がいる!」と聞くと、授業を見学に行って、説明の仕方を勉強してきたりもしました。
とにかく、当時授業が上手く出来るようになるために、出来ることは、全部やったと思います。
なにより、『私を含めたショボい後輩連中3人』で切磋琢磨しながら、頑張ったことが、成長を促進させてくれましたように思います。
頑張った結果、塾講師のアルバイトを始めて1年くらいたった時には、3人とも大勢のアルバイト講師の中でトップとはいかないですが、ベスト20人くらいにはランキングされるように成長していきました。
その結果、担当していた生徒たちの授業を聞く姿勢がどんどん良くなり、それに伴って、成績もどんどん上がっていきました。
私たちも、生徒の成長に喜びを感じ、さらに授業のことを考えるようになってゆきました。
追記、
今となっては、それほど長い時間ではないのですが、一緒に頑張った、『私を含めたショボい後輩連中3人』は今なお友人で、一生の友と言えます。
つづく
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